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トークシリーズ7

日本の教育現場では現在でも陶冶(とうや)的教育観がある。
陶器や鋳物を創り上げるように、子供を大人側の意識やイメージ、理想に近づけるよう育てあげるという一方的見解が未だに根強くある。
大山氏は「教育」という言葉にも疑問を持ち、一方が教え育てるという主体性を無視した姿勢こそ問題があると考える。自分自身に主体性や選択権があり、学び育つ「学育(がくいく)」をあげる。

大山氏は実存的哲学から大きく影響を受けた。
個人個人が違う点、その場や時々によって変化していくことから、様々な形が求められると考える。本来、教育観点からは計画できることは限られたものであるべきで、出会いや偶然性によって生まれる事にこそ本質が存在するべきなのである。
放置や放任ではない自己決定権を身につけることが大切であり、抑圧や一方的見解は避けなければならない。怒りから人を従わせることは結果的に楽な解決策としてある。しかし、意味合いの伝達の不十分さにより、伝えた本人の成長を妨げてしまう。

様々な考えや多くの捉え方を、いろいろな人と出会うことで見つけることができる。
一方から「~してあげる」「~してあげねば」という関係は社会構造にもあり、福祉という枠を設けてしまうこと自体が双方の関係とは言えず、本来「当たり前」としてあるべき補助を制度立てて設けてしまっているのではないだろうか。
安定を求め、自分自身が本当に何を求めているのかということが見えぬまま限られた専門性に向き合っている若者も現実に多い。
自分自身に向き合い、考え、悩むことや、様々な人と出会い生き方を見つめることで、何かに比べ続ける一律的な社会と距離を持ち柔軟な捉え方を生んでいく。

(さとう)

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by lets-talkevent | 2011-01-31 14:29 | 報告

トークシリーズ6 後期

「社会のここを変えたい ~NPOができること」
第6回 ゲストは山口祐子さん
(前浜松NPOネットワークセンター代表理事長、浜松市議会議員)  


日頃生活していく中で生まれる社会的疑問。それは法律や町に沿ったルールなど、普段の私であればその疑問を市民だから“仕方ない”とスルーしてしまうのだが、山口さんは違う。
小さな疑問を見捨てず、そこから影響していく社会の反映や好奇心をより深く膨らませ、納得するまで調べ上げ、行政へ投げかけている。そのバイタリティは彼女の幼少期の幸せな家庭環境が大きく関わっていた。
NPOを立ち上げた理由の大元は、自身の幸せのみだけでなく、大勢の人々の社会的な幸せを望む声に無視できない彼女の心がある様だった。

イギリスや海外のNPO活動を留学先で直に見てきた山口さんは、様々な経験を経た結果、政治家という道を今、実践しています。しかし現状は、昔ながらの文化社会が切っても切れない、日本式行政の文化化してしまった現代に、自身の力では限界があることも、切実に語ってくれました。けれど、そこから見えてきた光もあります。それは行政にはない、私たち市民ひとりひとりの持つ力です。

当事者でなければ分からないことや、世の中に不安や不快感を持つ人程力があると語り、現場の声が行政には何よりも大きく、いくら制作を考えても、パートナーとしての市民団体(NPOなど)が無ければ行政は動かない、動かせないと強く伝えています。
得に第3セクターは、行政が出来ない仕事を任されることもあり、山口さんはそこにスポットを当て、横との繋がりを強力にするべく、NPOネットワークセンターを立ち上げました。
NPOは政治家までは動かせないが、議会という機関を活用できるのではないか。機関が議会を動かす力があれば、もっと暮らしやすい、より良い社会が生まれると述べている。

私たちは、山口さんから「次の世代へ担う幸せの希望を託されて生きている」という、心強いメッセージを最後に感じました。
山口さん、体調が万全ではない中、ありがとうございました。
(よこやま)
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by lets-talkevent | 2011-01-23 22:16 | 報告

トークシリーズ5 後記②

前回に引き続いて、第5回トークイベントの報告です。
今回のトークイベントは、大分県別府市に活動拠点を構える
NPO法人BEPPU PROJECTの代表理事である山出淳也さんにお越しいただき、
「混浴温泉世界までの道のりとその後」と題し、
BEPPU PROJECTの複数の事業の中でも一昨年に行われた複合型アートフェスティバル、
『別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」』を中心に、
BEPPU PROJECTの活動についてお話していただきました。


1.別府市について
2.BEPPU PROJECTとは
3.BEPPU PROJECTの沿革
4.「混浴温泉世界」の開催
5.課題とこれから
6.ベップ・アート・マンス
7.今後の活動
8.次回の「混浴温泉世界」は何を目指すべきか?
9.なぜアートを地域に導入する必要があるのか?
10.BEPPU PROJECTとして大切にしていること



1.別府市について

別府市は大分県東海岸の中央に位置し、全国的に温泉で有名な市です。
人口が約12万人、面積が約125k㎡と決して大きくはありませんが、
湧出量、源泉数ともに全国1位。
また、就業人口構成において第3次産業が81.8%と温泉観光業が主となっています。
そんな温泉都市には公共温泉が市内に多数点在し、
入浴料も100円から無料で気軽に入浴できることから市民の生活の一部となっており、
温泉は市民同士がコミュケーションをはかる、また市民と観光客が出会う重要な場となっている
そうです。


2.BEPPU PROJECTとは

BEPPU PROJECTは、その別府市を活動拠点とするNPO法人です。
「アートが持つ可能性を社会化し、多様な価値が共存する世界を創造する。」事をミッションとし、
「他の営みと連携させ、アートが地域と繋がる種をまき、必然を創出すること」を行っています。
その事業は、「芸術鑑賞機会の提供、場の開拓」として主に3つに分類され、
 
 ①日常的なプロジェクト/現代芸術の紹介イベントや講演会、研修会の実施。アーティスト
               育成事業の実施
 ②アートフェスティバル/大規模集客交流。新たなプロジェクトが創出される場。
 ③スペース運営・管理/地域における芸術文化活動拠点や居住スペースの計画立案、整備、運営

を行っており、山出さんはそれらを「芸術振興事業」とおっしゃっていました。
また、併せて
「交流人口の増加、多様化」を目指す事業や、
「人材が育成される場」を生み出すための環境作りやモデル構築も行っており、
総じて「多様な価値が共存する魅力ある社会の実現」を目指しています。


3.BEPPU PROJECTの沿革

現在、このような活動を行っているNPO法人BEPPU PROJECTは、
2004年10月に山出さんが帰国したところから始まりました。
「別府がおもしろい」と耳にした事がきっかけで帰国されたそうです。
その後、翌年5月にBEPPU PROJECTを立ち上げ、同時に市内各地でアート活動を開始。
そして、「近いうちに国際現代美術展を開催する」事をうたったマニュフェストを発表。

2006年11月には「アートNPOフォーラム」を開催し、
全国のアートNPOや関係者に向けてフェスティバル構想を発表されました。
この時点では、国際現代芸術展の名称や期日、予算、主催者など白紙状態であったそうです。
このフォーラムの主たる参加者たちで国際現代芸術展の基盤が作られることとなりました。

2007年10月に創造都市国際シンポジウム「世界の温泉文化創造都市を目指して」を開催。
中心市街地活性化計画である「星座的 面的アートコンプレックス構想」を発表。
この構想は、1ヵ所に複数の機能を持ったものを設置するのではなく、
各所に機能を分散、点在させることで市街を回遊する拠点を作るというものです。
上記にある通り、別府市の特徴である各所に点在する公共温泉のあり方をモデルにしたもので、
地域の情報発信と様々な人々が交流できる場の創出は目指しています。

2008年8月より、上記の「星座的 面的アートコンプレックス構想」の一事業である
「platform」設立と運営の開始。
滞在制作のできるレジデンス・スペースや実験的表現を行うギャラリーの開設、
障がい者の就労支援機能を持つコミュニティカフェの開設、
platform運営のための雇用創出・将来の地域を担う人材育成などを行いました。

そして、4年の準備期間を経て、
2009年4月11日に別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」が開催されました。


4.「混浴温泉世界」の開催

2005年から徐々に準備を重ね、2009年についに「混浴温泉世界」が開催されました。
今振り返ると「混浴温泉世界」とは、「考え方を社会や世界に対して提案する、その態度であった」とおっしゃいました。
開催期間は2009年4月11日から6月14日までの、延べ65日。
開催による実績は、総観客動員数が約92,000人(延べ人数)、
有料来場者数による直接経済効果が49,686,000円、
メデイア露出広告換算合計が2,869,870,935円でした。
来訪者の詳細は多くが20代、30代の比較的若い女性であり、この層は今まで観光客として
別府を訪れていた層の多くが中高年層であった事を考えると、新たな層の来訪を招いたことに
繋がり、今後の別府の観光振興考えるうえで重要な意味を持っています。
その他にも、「混浴温泉世界」を含めた一連の事業が評価され文化庁長官賞(文化芸術創造都市
部門)の受賞。出品作品数点が別府に残り継続展示が決定。フェスティバル後に別府市へ9名が
定住するなどの実績がありました。


5.課題とこれから

山出さんが今後の課題として挙げたのが下記の4点でした。
 
①別府市ならではの芸術祭の確立
 ②市民が関わりやすい仕組み作り
 ③地域産業との連携
 ④経済基盤の確立と事務局の整備


6.ベップ・アート・マンス

「混浴温泉世界」とは異なるスタンスで、地域活動団体中間支援システム構築事業として
2011年11月1日から30日まで行われたのが「ベップ・アート・マンス」です。
これは「混浴温泉世界」が国際芸術展として垂直的にアート作品の質の追及が前提であったのに
対し、地域の日常に根差した活動や別府生まれのアートなど多様なイベントをフラットに扱って
います。
この「ベップ・アート・マンス」で試みられているのが、「BP(ビーピー)」と呼ばれる
クーポン型チケットです。
これは、500円で6BPと交換でき、ベップ・アート・マンス参加プログラムのチケット購入だけ
でなく、中心市街地の加盟飲食店や土産店での支払い(1BP=100円)や、
指定の市営温泉施設への入湯(1BP=1入湯券)もできる機能を併せ持ったものだそうです。
このチケットによりイベントの参加以外にも、飲食店や土産物店、温泉施設の利用が生まれ
様々な人々の交流の機会を図っています。


7.今後の活動

<ポータルミュージアム>
<空き店舗バンク>
<アーティスト・ビレッジ>
<ネットワーク大学>

そして
<温泉世界2012>


8.次回の「混浴温泉世界」は何を目指すべきか?

・体験交流型のアートツーリズム事業であるべき
 →2009年に行われた「混浴温泉世界」の来訪者調査では、宿泊数が2泊3日の方が多数でした。
  そこに+1泊、別府から他地域への交流を促す時間を生み出したいそうです。
 (他地域との広域連携)
・プロジェクトの拡大傾向は避ける。
 →国際芸術展にはまず予算の確保が問題で、市民主導で行う場合、大規模にはできず
  何よりそれでは継続が困難です。
これからは、「サスティナブル・デベロッピングではなく、サスティナブル・シュリンクを
  模索しなければならない」とおっしゃいました。
・圧倒的に集客力のある少数の別府のためにつくられたオリジナル作品と小さな多数のイベント
・現在の町の状況や営みとの連携


9.なぜアートを地域に導入する必要があるのか?
 
 ①異なる視点の導入
  →アーティストの作品だけではなく、その過程も重要であり、そこから得るアーティストの
   視点、そして、その視点により日常から生まれる新たな発見が大切であるとおっしゃい
   ました。
 ②交流人口の増加を目指すよりも多様化が重要
 ③文化は人を育てる


10.BEPPU PROJECTとして大切にしていること

最後にBEPPU PROJECTとして大切にしていることを5点お話ししていただきました。
 
①現代芸術の振興という目的をぶらさない
 ②成功事例をそのまま導入しない
  →成功事例に引っ張られるのではなく、根本的に「何がやりたいのか」が大事である。
 ③良い事業は必ず次の展開にリレーする
 ④万人に受け入れられることを目指さない
  →わからない事をやり続ける。それも、10年、20年、50年とやり続ける事が重要。
 ⑤女性や若者の意見を重要視する


(みずこし)


NPO法人BEPPU PROJECT   http://www.beppuproject.com/
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by lets-talkevent | 2011-01-20 18:40 | 報告

トークシリーズ5 後記

15日にトークシリーズ5回目を開催しました。
今回のタイトルは「混浴温泉世界までのみちのりとその後」。
ゲストとして、NPO法人BEPPU PROJECT代表理事の山出淳也さんにお越しいただきました。

BEPPU PROJECTは、別府市に活動拠点をおくアートNPO法人で、
アートの可能性を広く伝えるために、また多様性のある社会の実現のために
多岐にわたる事業を企画・運営しています。

今回のトークでは、複数ある事業の中で一昨年に行われた複合型アートフェスティバル
『別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」』を中心に、BEPPU
PROJECTの活動についてお話していただきました。

詳細につきましては、後日アップします。
お楽しみに。

(みずこし)

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by lets-talkevent | 2011-01-17 19:03 | 報告


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白木屋

第1回に参加してくれた、20年ほど日本で暮らすエミリオさんと、閉会後飲みに行きました。
芽里さんは体調が万全でないため帰宅されましたが、スタッフと参加者数名も一緒に流れ、トークの内容を受けて、つっこんだ話をしてみました。

奥の席のソフトボール部にはかなわない感がありましたが、楽しげな雰囲気をバックに、12時すぎまで話はつきませんでした。

今後も時間が許す限り、終了後にゲストや参加者のみなさんと2次会に行きたいなぁ。

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